妙な使命感に駆られながら過ごす午後の授業はずっと気が張り詰めっぱなしで、手紙の入ったスカートのポケットがやけに重かった。
ホームルームが終わるや否や、教室を飛び出し昨日と同じ道順で生徒会室に向かう。妙な痕跡を残さぬよう人目を憚りつつ、扉をそっと引く。
「ひとみちゃん!」
椅子を鳴らす音と共に、笑顔がふわりと視界の中心で咲き誇る。
身体の内側から光を放っていると見紛うほどに明るい雰囲気に一瞬驚き、そうだ、これが本当の樹々瀬くんなんだと再認識する。
「来てくれてありがとう。急に呼び出してごめんね、予定なかった?」
「い、いやそれは全然大丈夫…」
「よかったぁ」
変に力が抜ける感覚に戸惑う私を、樹々瀬くんは心底嬉しそうに誘導する。国宝…というか世界遺産クラスの美の化身が至近距離で楽し気に私を見つめるという不可解かつ奇妙奇天烈なシチュエーションに若干の畏怖を抱き、ふと本来の目的を思い出す。
「あっ、あの!何か用事があるんだよね」
「ん?用事?」
「話すことがあるって書いてたよね?」
厳重に折り畳んだ手紙を広げて見せると、首を傾げていた彼は、あぁ、と納得したように微かに髪の毛を揺らす。
「そのままの意味だよ。ただひとみちゃんと話したいなって。用事とかそんな格式ばった業務めいたことじゃなくて、もっと普通のこと。けどそれも建前というか…」
そこまであっけらかんと言うと、澄んだ瞳を湛える眦を僅かに下げる。
「ひとみちゃんに会いたかったんだ。だからもう俺の望みは叶っちゃった」
瞬間、声にならない汚濁音と共に腹部を押さえる。想定外の愛らしさにみぞおちが急激に刺激される。
待って下さい、こんなはにかみデレ要素搭載なんて聞いてないんですけど?少女漫画の世界から飛び出してきた方なんですか?
ホームルームが終わるや否や、教室を飛び出し昨日と同じ道順で生徒会室に向かう。妙な痕跡を残さぬよう人目を憚りつつ、扉をそっと引く。
「ひとみちゃん!」
椅子を鳴らす音と共に、笑顔がふわりと視界の中心で咲き誇る。
身体の内側から光を放っていると見紛うほどに明るい雰囲気に一瞬驚き、そうだ、これが本当の樹々瀬くんなんだと再認識する。
「来てくれてありがとう。急に呼び出してごめんね、予定なかった?」
「い、いやそれは全然大丈夫…」
「よかったぁ」
変に力が抜ける感覚に戸惑う私を、樹々瀬くんは心底嬉しそうに誘導する。国宝…というか世界遺産クラスの美の化身が至近距離で楽し気に私を見つめるという不可解かつ奇妙奇天烈なシチュエーションに若干の畏怖を抱き、ふと本来の目的を思い出す。
「あっ、あの!何か用事があるんだよね」
「ん?用事?」
「話すことがあるって書いてたよね?」
厳重に折り畳んだ手紙を広げて見せると、首を傾げていた彼は、あぁ、と納得したように微かに髪の毛を揺らす。
「そのままの意味だよ。ただひとみちゃんと話したいなって。用事とかそんな格式ばった業務めいたことじゃなくて、もっと普通のこと。けどそれも建前というか…」
そこまであっけらかんと言うと、澄んだ瞳を湛える眦を僅かに下げる。
「ひとみちゃんに会いたかったんだ。だからもう俺の望みは叶っちゃった」
瞬間、声にならない汚濁音と共に腹部を押さえる。想定外の愛らしさにみぞおちが急激に刺激される。
待って下さい、こんなはにかみデレ要素搭載なんて聞いてないんですけど?少女漫画の世界から飛び出してきた方なんですか?



