満天の君と、純白のヒメゴトを。



「秘めるべくして秘めた自分をさらけ出して、それでもなお愛してくれる人なんて…この世にいるのでしょうか」


いや、いるわけない。そんな諦念がひしひしと伝わってくる。

固く固く蓋をされた「樹々瀬灯」の核心は、今にも壊れそうな繊細さで満ちていた。

私なんかが触れていいものか。少し怖い。けれど、もし許されるのなら…

彼の心に手を伸ばしたい。

甚く分不相応な願いを、一番星に込めずにはいられなかった。

そう思ってしまったから、作業を終えて帰路に着く際、「もう遅いから送ります」という普段なら断っていた申し出を拒否することができなかった。

部活動の生徒はもうすっかり撤収した通学路を並んで歩く。

話題を切り出せるはずもなく、ただ時間と景色のみが過ぎ去っていく。

こんなにも近くにいるのに、夜空の奥で輝く月のように遠く感じる。…やっぱり、私にできることなんてないのかも。

そう思い直し、駅へと続く歩道橋に足を伸ばす。

もうさよならをしなくちゃいけない。

せめてもの抵抗として立ち止まろうとする私の元に、通行人の足音に紛れるほどの頼りない呼気が届く。

「あの」