満天の君と、純白のヒメゴトを。

「忘れて下さい」
「無理無理無理。現実を受け入れろ」
「うぅ…だって寄りにもよってなんで、なんでぇ~」
「危機管理能力の欠如」
「それは太陽も同じでしょ」
「俺にお前の危機を管理する義務はない」

傷口に塩を過剰に塗り込む泉くんの元に存在を忘れかけていたプリントを置き、私はそっと立ち上がる。

思うままを言い合う二人を後に、忍び足で生徒会室を出る。途端、ぷはあっっっと気管が解放される。

一旦冷静になろう。

つまるところ、絶大な人気を手にする憧れの的の正体は、煌びやかな印象とは打って変わった精神年齢低めの男子高校生だった、と。

…重い重い重い。重すぎる。
一介の一般生徒には受け止められない。何で私?もっとヒロイン適正のある子なら少女漫画が始まるところを何で私?

もちろんこんな超秘匿事項を易々と広めるなんてできるわけもない。そこまで性格歪んでないと信じてる。

そのため、誰にも言えない秘密の共有者(不可避)となってしまった私は、周りの子が樹々瀬くんに焦がれる度、どこか怯えた気分で悶々とした日々を送っていた。

そして一週間がたったある日のこと。

そろそろテスト勉強しないと…と思えるほどには心の余裕を取り戻していた私の元に、金色の嵐が訪れる。