5歳のクリスマス。
それはやってきた。
【お披露目】式であった。
既に親族、その周辺の仲であれば顔も名も存じ上げている事は当たり前であるというのに、わざわざ行われた。
栗色の2つ結びをした少女、ゆりあ。風になびくサラサラな茶毛に茶色の瞳をした少年。
少年の名を
「レオン」
人々は既にこの頃から彼に魅了されていた。
「今日は若きお二人の祝賀です」にこやかな叔母様が言った。人々は言った「これからが楽しみだ」「大人になるのが待ち遠しい」「これで我が輪も安泰」-と。
この会だけで250人の大人がいた。それこそ内輪だけであるが、全て血筋が通った大人である。生き死にの話ではなく、戸籍上の血筋の話である。そしてやはり、そこにはそれぞれのマリとリエが居たのであった。
-先程の「レオン」と呼んだ男性が、似通った顔を持つ男と対面をした。その2人は従兄弟であった。2人は厚く抱擁を交わすと、握手をしながら団欒を始めた。
「父様」
「パパ?」
2人は従兄弟であり、それぞれが少年少女の父親でもあった。
少年少女-レオンとゆりあが横に並ぶと、再び大人たちが魅惑の視線を向けた。注目の的になった幼子は、緊張を見せる様子もなかった。それは生まれた頃からの環境下がそうさせたものなのか、天性のものなのか-
「これから仲良くするのよ」目線に合わせて、よく知った顔の継母が口ずさむ。ただ頷く少女を知り目に、少年は建物の窓外を見ていた。



