‐泥沼に落ちて‐ 鳥は空を飛ぶ 上へ目指して ある時鳥はぶつかった 運命の中の小さな突起に 鳥は下へ落ちて行く 落ちまいと鳥はもがく 墜ちまいと、 だが 鳥は落ちた 抜け落ちた羽は宙を舞う 鳥は落ちた 小さな泥沼に 小さな、だけど大きな泥沼に 鳥はもがく 底のない泥沼から手が生えて、それは鳥を掴み引きずり込む 鳥はもがく だが、ただ溺れるだけで 沈むだけで 墜ちる 底がない泥沼へ 底がない だからどこまでも沈んでいく 出られる日は来るのか? 鳥はそれまで しばしの闇を見る