このまま抱かれてしまいたい

「あ、このへん固いですね」

 腰骨の内側の位置で探る手が止まる。

「そこ痛いです」

「ここですね。痛み覚えておいてください。足開きますね」

 立ち膝に私の右足を乗せて外側に開き、先程のしこりを指先で押した。

「これ痛いですか?」

「痛いです」

 さらに右足を開く。

「これは?」

「あ、痛くないです」

「はい、じゃあここでいきますね。深呼吸して」

 指示通りに深呼吸をする。

「そのまま楽に呼吸してください」

 しばらくしたのち、右足を戻してまた痛みがあったところを押す。

「痛みありますか?」

「いえ、痛くないです」

 いつも思うのだが、なぜこれだけで痛みがなくなるのか不思議である。

 左側も同様に施術され、彼の指先が下腹部に降りてくるごと、足を開かれるごとに私は邪な思いでいっぱいになってしまう。

 一番ドキドキしてしまうのはこれだ。私の右側に座った彼の右手は仰向けになった私の左腰、左手は私の右肩甲骨の下に差し入れられ、ゆらゆらと左右に揺らされる、これ。これだけで骨盤が整うのか?と思うのだが、骨盤の歪みは解消されてきているのでどうやら効果はあるらしい。