milk or coffee? 〜甘く、苦く、溶かされて〜

「ごめんね!飛行機の時間もあるから、もう行かないと!」


そう言って、本当に出ていってしまった。


玄関に取り残されたわたしと彼方さん。

ぽかんとしながらお互いの顔を見合わせる。


と、そのとき――。

閉まったばかりの玄関のドアが開いた。


「そうだ!言い忘れたことがあったけど…」


そう言いながら、徐々に遥さんの表情が緩んでいく。


「くれぐれも2人とも、“仲よく”するようにっ」


にっこりと笑う遥さん。

そして、今度こそ本当に行ってしまった。


「“仲よく”するように、だって」

「せやな。遥のやつ、空気読んだな」


さすが双子の兄弟。

話さなくても、遥さんにはすべてが伝わっているようだった。


そのとき、わたしのスマホが鳴る。

それは、黒ずくめの人のことでお世話になった警察署からの電話だった。