milk or coffee? 〜甘く、苦く、溶かされて〜

「か…彼方さんっ、やめ…。くす…ぐったいです…」


そのとき、首筋にチクッとした甘い疼きが走る。


それに驚いて目を丸くするわたしを彼方さんが上から見下ろす。


「つけてやったで、キスマーク」


悪びれもなく、意地悪く微笑む彼方さん。


「ちょっ…と、待ってください。今すぐ消してください…!」

「時間がたてば消えるから、今すぐに消すのは無理やな。物理的に」

「…じゃあ、どうして…こんなこと」


放心状態のわたしに、彼方さんは満足げに微笑む。


「そんなん決まってるやん。みひろちゃんがだれのものかってわからせるために」


“わからせるため”――というのは、きっと遥さんに対してのことだ。


「みひろ、好きやで」


不意を突かれた“みひろ呼び”に、わたしは一瞬にして心臓を射抜かれた。