milk or coffee? 〜甘く、苦く、溶かされて〜

彼方さんは一瞬視線をそらした。

すぐにそれが答えだとわかった。


「…ごめんなさい!わたしのせいで…!」

「べつにみひろちゃんのせいとちゃうって」

「でも…!」


どうして彼方さんがリビングでいっしょにごはんを食べないのか、ようやくわかった。

きっと右手でお箸を持つことができないようなケガだったからだ。


昨日遥さんが言っていた『彼方さんが急に用事ができた』というのも、病院へ行っていたからではないだろうか。


今日もお店に出てこなかったのは、利き手の右手が使えなければ、包丁で野菜を切ることもフライパンを振るうこともできないから。


そう考えると、すべてのことに納得がいく。


「わたしが…あんなことに巻き込まなければ――」

「やから、責任感じてそんな顔すると思ったから隠しててん」