milk or coffee? 〜甘く、苦く、溶かされて〜

遠慮がちに彼方さんのベッドの布団をめくる。


ど真ん中で寝るのはなんだか申し訳ないから、一応ベッドの端に寄って小さくて丸くなってみた。


それにしても、…本当にこわかった。

彼方さんたちが駆けつけてくれなかったと思ったら…ゾッとする。


『なにしてんねん!その手、離せや!』


自分の身を挺して戦ってくれた彼方さんの姿を思い出したら、なんだか胸がドキドキした。


ただの従業員をあんなに必死に守ってくれるものなのだろうか。


『本気で好きになったコには一途やで?こう見えて』


あの言葉って、…本当なの?



次の日から、友禅家での同居が始まった。


「おはようございます」


わたしが彼方さんの部屋から出ると、リビングのキッチンで遥さんが朝ごはんの準備をしていた。


「おはよう、みひろちゃん。よく眠れた?」