milk or coffee? 〜甘く、苦く、溶かされて〜

振り返ると…、そこにいたのは全身黒ずくめの人。


「…きゃっ……」


叫ぼうとしたけど、恐怖で声が出ない。


「や…やめてくださいっ…!」


なんとかして抵抗してみるも、振りほどくことができない。

ずるずると物陰のほうへ引きずられていく。


…いやっ、こわい…。

離して…!


泣きじゃくりながら、心の中で叫んだ。

――そのとき!


「なにしてんねん!その手、離せや!」


そんな声が聞こえて振り返ると、黒ずくめの人の背中目掛けて飛び蹴りする人影が――。

それは、彼方さんだった!


「…彼方さん!」

「大丈夫かっ!?ケガない…!?」


わたしに顔を向けた彼方さん。

しかし、その彼方さんの死角から黒ずくめの人が襲いかかるのが見えた。


「彼方さん!…危ない!」


わたしの声に反応して、すぐに彼方さんが構える。