それからは、この前のようなことはなかった。
――だけど。
コツ…コツ…コツ…
『Gemini』にラストまで残っているバイトのときは、たびたびあの不審な足音を耳にするようになった。
しかも、マンションの掲示板に、不審な男が目撃されたという貼り紙もされていた。
それを見て、背筋に冷たいものが走った。
「みひろちゃん、…どうかした?」
キッチンでぼうっとしていたわたしに、遥さんが声をかける。
「…あっ、すみません。なんでもないです…!」
バイト中なのに、不審な男のことを考えてしまっていた。
なぜなら、今日の上がりもラストだから。
「…なにか悩み事?」
遥さんがわたしの顔をのぞき込んでくる。
「悩み事…といいますか。そうですね…、悩み事になるのかな…」
――だけど。
コツ…コツ…コツ…
『Gemini』にラストまで残っているバイトのときは、たびたびあの不審な足音を耳にするようになった。
しかも、マンションの掲示板に、不審な男が目撃されたという貼り紙もされていた。
それを見て、背筋に冷たいものが走った。
「みひろちゃん、…どうかした?」
キッチンでぼうっとしていたわたしに、遥さんが声をかける。
「…あっ、すみません。なんでもないです…!」
バイト中なのに、不審な男のことを考えてしまっていた。
なぜなら、今日の上がりもラストだから。
「…なにか悩み事?」
遥さんがわたしの顔をのぞき込んでくる。
「悩み事…といいますか。そうですね…、悩み事になるのかな…」



