milk or coffee? 〜甘く、苦く、溶かされて〜

慌てふためくわたしを見て、遥さんがクスリと笑う。


「ほんまみひろちゃんかわいいなぁ」


わたしと違って、遥さんは余裕の表情。


「もしかして、今ので俺のこと…意識でもした?」


意地悪く笑った遥さんが、ぐいっとわたしに顔を近づけてくる。

とっさに後ずさりをしようとするも、すでにソファの角に追いやられていて逃げ場なんてない。


やっぱり、今日の遥さん…なにかがおかしい!


…それにさっきのキス――。

少しだけ遥さんの唇が触れたとき、コーヒーの味がした。


横目でテーブルに置いてあった遥さんのマグカップに目を向けると、そこに見えたのは真っ黒い飲み物。

あの濃さは、…ブラックコーヒー!


遥さんはコーヒーが苦手で、いつもほぼミルクのカフェオレを飲んでいる。

ミルクも砂糖も入っていないコーヒーを飲んでいるところなんて、今までに見たことがない。