milk or coffee? 〜甘く、苦く、溶かされて〜

手には、カフェオレの入ったマグカップ。

遥さんは他にお客さんがいないときは、こうしてわたしといっしょにカフェオレを飲んで休憩したりする。


店主の遥さんではない、オフモードの遥さん。

わたししか知らない素顔を垣間見ているようでドキドキする。


しかも遥さんが飲むカフェオレは、ほぼミルク。

聞くと、わたしよりも苦いコーヒーが苦手なんだとか。


髪色もそうだし、柔らかい口調や穏やかな性格は、それこそ例えるならミルクのよう。


『Gemini』にくると、そんな遥さんに癒される。


「あっ…。みひろちゃん、ついてるよ?」

「…え?」


わたしがキョトンとしていると、急に遥さんが顔を近づけてきた。

不意に顎に手を添えられ、親指で唇をなぞられ、わたしは驚いて目を丸くする。


「ほらっ」