校門を出ても、築地くんはなお止まることすらしない

だからどこまで行くの

もう思いっきし聞いてもいいかな

「築地くん、どこに向かってるの?」

「あぁ、お前に見せたいものがあって。だから無理にでも引っ張り出してしまった」

そういうことか、それならあの場で言ってくれても良かったのに




「ついた」

「ここは?」

「俺ん家」

ゆうやくんが玄関を開けると、ドタドタとなにやら走ってくる音が聞こえた

「にゃーー」

に、にゃー?

「か、可愛い。白猫だー」

「ムギ、はしゃぎすぎだ。落ち着け」

私の目の前の白猫はゆうやくんの足元にすりすりとしてる

「可愛い、何この可愛い生き物」

「やっぱり連れてきて正解だったわ」

やっぱり?

「それどういうこと?」

「あ?猫好きって聞いたんだけど」

だれから?

「あの、俺に睨み聞かせてた子」

「あー、莉奈のこと?」

どうやら築地くんは莉奈のことをよく思ってないらしい

「莉奈可愛いじゃん。小動物みたいで」

莉奈って猫よりもうさぎみたいで可愛くて、こんな可愛い子本当にいるんだなーって、入学式の時は思ったけなー