「あー、僕今日当番の日じゃないんだけど。先生が渡辺さんが休みだから代わりに入ってくれって頼まれたんだよね」

何それ、先生救世主

まさかのみんなのあこがれの的である早川先輩と話ができるなんて

こんなこと夢にも思ってなかったよ

「あ、ちょっど良かったです。本を本棚に作者の順に並べてたんですけど、あまりの多さにもう憔悴(しょうすい)しきってたんです」

小声で今の状況を伝えると、先輩はニコッと笑って

「わかった。二人でやればすぐ済むでしょ?」

と言ってくれた




「よし、終わり。ってもう外真っ暗じゃん」

「ほんとだ。時間って経つの早いですね」

さっきまで4時半だったのに、もう時計の針は6時を指そうとしていた

「こんな真っ暗じゃ、一人で帰るのはあぶないから僕が送っていくよ」

……えっ

「そんな悪いですよ。先輩って聞いた話によると逆方向じゃなかったでした?」

確か先輩は門を左に曲がってたはず

私は右側だ

「いいから、それに今日は家に誰もいないから、ただ…僕の勝手な気遣いというか。でも美波ちゃん危ないから送らせて」

まぁ、先輩がそういうなら

「分かりました」