チェリー



「あのさ、美奈ってもしかして…」


「いけー!涼介」

「はあ、ゲームくらいいい加減自分でやれよ」


話し声がするせいか、樹里の声がいつもより小さい気がするせいか、はっきり聞こえない。


(みなと)のこと、……」


「ん?ごめん、よく聞こえなかっ、」


——ドンッ


「あっ」


誰かにぶつかってしまった。


「?!あ、ごめん」


「ギャー!!死んだぁぁ……」


え?し、死んだ?

いくらゲームとはいえ、もしかして悪いことしちゃったかな…?


「ねえ、大丈夫?」


「ちょっと美奈、行こうよ〜」


樹里が急かしてくるけど、だめだめ。
ちゃんと謝らなきゃ。


「でも、誰か死んじゃったみたいだし…」


「ごめんなさい、」


「ああ〜俺のレアキャラが〜」


レアキャラだったなんて…
申し訳ない


「ごっ、ごめんね」


「お前にラスボスなんて10年早かったんだよ〜」

「うるせぇアニオタ!」


なんか、言い争いが始まってしまったし。


とにかく、ぶつかってしまった男の子の肩を叩く。


「あの、ごめんね、
私が誰か死なせちゃったみたいだし…」