萌は冷静になろうと必死に浅い呼吸を繰り返した。 (大丈夫。あんなに酷い別れ方をしたんだから、きっと私のことなんて忘れて素敵な結婚をしてるはず) そうだとすれば、万が一にも双子の存在を知られるわけにはいかない。 萌は混乱しながらもなんとか思考を働かせるが、自分の考えた仮説に胸が引き裂かれるほど苦しくなる。 けれど、そうなるように仕向けたのは萌自身だ。 (もう、あの頃には戻れない……) 目の前の彼から贈られた四つ葉のネックレスが、萌の胸元で煌めきながらふたりの再会を静かに見守っていた。