お昼休憩が終わり、午後の仕事を始めて三十分が過ぎた頃に美沙からメールが入った。
【話があるからエントランスのブースまで来て】
今日は午後二時に、開発部を交えた本格的な打ち合わせがある。ここには、凛子副社長も涼介さんも参加する事になっているけれど、副社長は今、社長の予定もカバーしながら動いている為、外出からの帰社時刻が二時ギリギリになるとの連絡が入っていた。
その打ち合せまであと三十分。
どうしようか迷っていると、美沙から連続でメールが来て私は仕方なく一階へと向かった。
打ち合せブースまで行くと透さんの姿もあり、二人が横に並んで座っている。まるで圧迫面接を受けるかのような心持ちで、私は息苦しさを抱えてその向かい側へ腰を下ろした。
「話って何?」
恐る恐る問い掛けた私に、美沙が冷たく言い放つ。
「さっさと辞めてくれない?」
酷い事を言われるに違いないと予想はしていたけれど、ここまではっきりとした言葉を向けられるとは思わず、返した言葉の語尾が小さく掠れた。
「まだ、辞める気はないよ。新商品の開発が始まったところ、だから……」
せめて試作の完成までは頑張りたい。これから携わる各部の人達、凛子副社長、そして涼介さんと一緒に。
けれど今度は透さんに、その言葉を嘲笑しながら否定された。

