偽りのアイドル

で、話を戻して……制服?
可愛すぎる……私には似合わないよ……りおんしか。


「学校では偽名ね〜。学園長と仲いいからオッケーよ!」


偽名…。そこまでする?ま、りおんって珍しいもんね。


「だから! 莉央(りお)にしました〜」


莉央って…莉音に似すぎじゃない?


ま、名前間違えそうになるの防げそうだから…いいけどさぁ…。


「ねー、姉ちゃんってさ、好きな人いる?」


「居るわけ無いじゃないの」


どうして聞くの?


「じゃ、いたの?」


「いないって」



逆に、私にいると思うの…?

恋愛なんて、年齢と同じだけしてないんだよ…?

彼氏はもちろん、好きな人もできなかったよ…?

アイドルに全てを捧げてたよ?



「そ、そうか〜」


「風海も大変ねえ」


なにをそんなにキョドってるのよ?


「ハイハイ着いたよ。姉ちゃん行こーよ」


……ここって、七星学園!? あの、大丈夫?


「社長……」


「大丈夫よ! 理事長は、次期社長の叔母様だし! 私の……幼馴染みなの」


あ……あの反対派のか。
幼馴染み、そっか……。色々大変そう…。


反対派は……また後で教えるね。


七星学園とは、七星事務所が代々運営する芸能人が集う学園。


芸能科と財閥科と一般科が新たに出来たみたいだけど……どうしてそこへ…?


で、私は……え!? 芸能科!?


なんで?
財閥科でいいじゃん。


「莉音はね〜、アイドル研究って事になってるわ!」


なるほど……。