偽りのアイドル

まずは、理事長に、私の作戦を伝える。


「理事長、乙葉と友希くんに……伝えてあげて下さい」


それは、全てを、伝えるということ。


それが、大切。


「え……無理よ……そんな事……」


……でも……!


「とりあえず、友希くんと乙葉かなぁ……」


二人が、喋るように、なってほしい……。


「ちょっ、ちょっと待って!
なんで……部外者のあなたが……?」


「部外者なのは認めます。
というか、絶対そうだし。
でも、友達救おうとして……何が悪いんですか?」


だって、そうしろと、私は習ってきたから。


「……そう、ね。
全く、あの子らしい……」


あの子……?


「……そんな輝いたら、りおんだってバレちゃうわよ?」


「二人なら……大丈夫ですし、りおんだって、輝いてなんて、無いです。
偽りの中で輝こうとして、諦めただけですからね」


最後は、自嘲になってしまったなぁ。


「いいえ。
この業界にしがみつくだけでも……すごいことですよ」


「……そうですか」


「私のお義兄さんも、この業界の、有名事務所の社長ですからね」


……その、話……か。


「ああ……心配はしなくて大丈夫よ。
お義兄さんの、手腕だけは尊敬しているから」


人間性は尊敬できない、というようなものだ。


……気持ちはわかるけども。


だって、乙葉達を引き裂いた張本人だから。


……でも、でも、ね。

許さなきゃ、前に進めない、かなぁ……。


だから、私は、前に進むために、許す。


それが、必要だと思ったから。