偽りのアイドル

「はいはい……
──授業始めるぞー。
莉央、まずは学活だ」


んー……多分、仲良くなれ、とかそういう感じのだよね。


別にいいのに。


「……はい」


「体育館に行くから、また後で席教えるわー」


……適当すぎないかな!?


「……りおちゃ、りおちゃ」


…?


「体育館行こ〜」


「うん、連れてって。あ、私方向音痴だから」


教えられても、変な方向行ってしまうだろうから……
もし、遭難しても頼りにしないでね!


「りおちゃは方向音痴っぽくないのに〜。
あたしは、方向音痴ではありません!」


……確かに、乙葉方向音痴っぽい。
いや、違うらしいけど。
うん。


「方向音痴っぽいって思ったでしょ?」


「ぅ……うん」


嘘をつくのは、相手に失礼だよね。


「だよね〜」


「……」


「乙葉! 莉央! 行くぞ〜! 遅れるなよ」


先生に急かされて、慌てて教室を出る。


「んとね……先生! 今日、どこですか?」


どこ、とは?


体育館でしょ?


「あ〜、第一体育館だ。全校集会だからな」


「はーい、すぐ向かいまーす」


第一? ってことは、第二とかあるのかな?


流石お金持ち学園。


設備が凄い……。


今ね、収録室の前を通ったんだけど、凄い。
なんか、高そうな機材が大量にある部屋がたくさんあるの。


「りおちゃ、今度ここで収録しよ!」


「うん」


壊さないか心配。
本気で。


「──……着いたよ〜!」


……ひっろ……。


え、なんでこんなに広いの?


私の通っていた中学校の体育館の4倍は軽くあるよ、これ。


すご……。


「えとね……今日は何だ?え〜、あ〜、あれか。
全校学力テストの優秀者表彰式」


なにそれ。


「えーと、簡単に言うと、毎月の学力テストで、学年、全体の順位1位、2位の人が表彰されるの〜」


へ〜。
私はまだ違うよね。


「ただ、莉央、煌は編入試験を学力テストに変えた。つまり、表彰もありえる」


りゅーくん……!


「会長……! え、そうなんですね〜」


「そう、ですか」


学力テストか……。


意外と簡単だったけど……?


「まあ、七星学園の学力テストは、とても難しいため、首席、次席など夢のまた夢だがな」


「会長はいつも1位のくせに〜」


え!? 凄い…!!


「生徒会長だからな」


自慢げもなく言ったりゅーくん。

いや、それ、凄いから。


「……まあ、始まる」


その瞬間、始まった。