偽りのアイドル

「乙葉〜、友希がまたブッ倒れたぞ〜」


「あ、会長。
……そう、ですか。
父さんに連絡しときます、ね」


乙葉ちゃんっ!


「保健室行ってやれよ。
友希が悲しんでるぞ?」


え、行かないの?


「……私に行く資格なんて……友希と顔を合わせる資格なんて……ありませんっ……」


「あのなあ……。
あまり家庭には口出ししないが、流石にしすぎだ」


家庭……複雑、なのかな。


私と、同じように。


母さん……父さん……っ。


「……私だって、友希に会いたいですよ。
でも、今更……どうすれば?
どうすればいいんですか……?!」


悲痛な叫びは、私の心臓までをも突き刺したような感覚を襲った。


「……悪い」


「……取り乱して、ごめんなさい」


「……」


「……ところで、そちらの女の子は?」


……あ、え?私?


「あ、天音莉央……です」


……んーやっぱ莉音の方がしっくりくるなあ。


「莉央ちゃん? よろしくね!
あたし、七星乙葉!」


七星乙葉ちゃん。


七星……? ん……七星、学園……ぁ、え!?


「もしかして、七星学園て…」


「あ、うん、鈴音(すずね)おばさんが理事長だよ」


へえ……おばさん……?


確か、鈴音さんて、七星財閥の会長に歯向かったとかなんとか……。