その日の夜、あの天ぷらの味が忘れられず、少しぼーっとしていた。
あの味は家庭で再現できるだろうか、とか、
あれを作ったら裕貴は喜んでくれるかな、とか、
リビングで裕貴とビールを飲みながら、そんなことを考えていた。
すると、裕貴が唐突に聞いてきた。
「しのぶ、おまえ昼間、誰といた?」
ドキッ!
もしかして、桐人さんと一緒にいるところを見られてた!?
一瞬だけ、昨日の大量のスマホメッセージのことを思い出す。
でも、やましいことは何もしていない。
正直に答えよう。
「誰って、安浦先生の息子さん。マクベリの営業部長なのよ」
「やけに親しそうだったじゃないか」
「そりゃあ、毎日安浦先生の家に、洗濯に行ってますからね」
少し、言い方が意地悪だっただろうか。
すると、裕貴が口を開けて複雑な顔をした。
「……おまえ、まさかその男と……」
「ちょっと。その男なんて言い方しないで。桐人さんとは仕事で行ったの。それに、安浦先生のお世話だって仕事の一環でしょ?」
裕貴の言い方にカチンときて、私もつい強めの口調で言ってしまった。
あの味は家庭で再現できるだろうか、とか、
あれを作ったら裕貴は喜んでくれるかな、とか、
リビングで裕貴とビールを飲みながら、そんなことを考えていた。
すると、裕貴が唐突に聞いてきた。
「しのぶ、おまえ昼間、誰といた?」
ドキッ!
もしかして、桐人さんと一緒にいるところを見られてた!?
一瞬だけ、昨日の大量のスマホメッセージのことを思い出す。
でも、やましいことは何もしていない。
正直に答えよう。
「誰って、安浦先生の息子さん。マクベリの営業部長なのよ」
「やけに親しそうだったじゃないか」
「そりゃあ、毎日安浦先生の家に、洗濯に行ってますからね」
少し、言い方が意地悪だっただろうか。
すると、裕貴が口を開けて複雑な顔をした。
「……おまえ、まさかその男と……」
「ちょっと。その男なんて言い方しないで。桐人さんとは仕事で行ったの。それに、安浦先生のお世話だって仕事の一環でしょ?」
裕貴の言い方にカチンときて、私もつい強めの口調で言ってしまった。



