「大好きだよ、ひなる」
「私も、大好きだよ!」
こうして私たちは、彼氏彼女になった。
初めて葵くんに会った時〝冷たい人〟って思ったのがウソみたい。気付けばいつも葵くんに助けられ、支えられていた。誰よりも一番近くで、たくさんの優しさを与えてくれた。
「葵くん、私も何か恩返ししたい。いつもしてもらってばかりだから……」
「じゃあ、一つだけ」
「なに?なになに!?」
初めて頼られたことが嬉しくて、葵くんの腕の中でぴょんと跳ねる。すると、少しだけ照れた顔の葵くん。
「もう一回だけキスしてほしい、かな」
「が、がんばります……っ」
そうして気持ちが通じあった余韻に浸りながら、門限を守るため帰路に着く。手を繋ぎ、同じ寮を目指して歩いていると……互いの首に掛けられたネックレスが、夕日を浴びてキラリと光った。この光景を、私は一生、忘れないだろうな。
「ただいま帰りましたっ」
ドアを開けると……あれ?真っ暗だ。みんなどこに行ったんだろう?
不安に思って、葵くんへ振り向く。だけど……ついさっきまでいた葵くんは、姿を消していた。
「あれ、葵くん?皆?」
不安になった、その時。
――パーン!!
「おかし調理部設立、おめでとう〜!!」
「わ!」
一気に明るくなった景色に加え、至る所でクラッカー音が鳴る。クラッカーから飛び出した紙吹雪が、私の前でヒラヒラ舞った。



