さよなら、やさしいウソつき

「ユキさんのお母さまですか?興信所の者です。ユキさんから浮気調査依頼されてまして、ご報告をいたします。
ユキさん、前に体調崩されていて、話す内容がとても酷なものだったのでちょうどよかったです。
ユキさんの恋人、俊哉さん、浮気されてました。調査でわかったのが、中島さんすでに警察官退職されてました。今回、慰謝料など請求できますが、どうしますか?」

ユキの母・ハルは、一瞬悩んだが、すぐに口を開いた。

「お願いします。ユキを傷つけた代償、しっかり償わせたいです。」
「わかりました。弁護士を紹介しますので、あとは、そちらでご相談をお願いします。」

そう言って電話切ってハルは、ユキを見つめる。楽しそうにウサギと触れ合ってる姿を見て、とてもこの結果は話せない。
今、病気のユキに話せるわけがなかった。

「ユキ、興信所の連絡きたけど、あとは、お母さんに任せて自分は、静養に専念してちょうだい。」
「<???わかった>」

ハルは、娘のしあわせを踏みにじった中島という男が許せなかった。
高校時代は、真面目で生徒会長も務めたあの男をハルも関してた分、残念でならなかった。