さよなら、やさしいウソつき

帰宅後、さすがに返事が来てるだろうとスマホを見ると、待ち望んだ俊哉からの返事が来た。
嬉しくて、メッセージを開いた。

<ごめん。当分、電話もメッセージもできそうにない。ユキの話を聞いてあげたいんだけど、仕事が忙しいんだ。
わりぃ。落ち着いたらこっちから連絡すっから、待っててほしい。>

気づいたらスマホの画面にポタ、ポタ、と雫が落ちていた。
泣いてる自分に気づくまで数分かかった。
スマホを投げて、ベッドにダイブして枕に顔をうずめた。
わんわんと子供のようにしゃくりあげて泣いた。

会いたい、会いたいよ。

また俊哉に抱きしめられたい。俊哉の匂いに包まれたい。

心の中でどんなに叫んでも、叫んでも俊哉に届くはずがない。
それがもどかしくてさらに泣いた。

俊哉、きっと、私が重い女だからキライになったんだ。
わがままだから、子供っぽいから、だから嫌になったんだ。

勝手にそう思ってしまう自分がいて余計に腹正しさと俊哉に会いたいという気持ちが絵の具が混ざりあうように
ぐっちゃぐちゃだった。
ユキは、<わかった。重い女でごめんね。>とだけ打って、眠りについた。

翌朝、出社したユキは、いつも通り、頼まれた仕事をこなしていると、高梨から声をかけられた。
「宮島さんってどんくさそうに見えてたけど、かなり仕事できるのね。ちょっと見直したかもしれない。」
意外過ぎて言葉が出なかった。この間まで「足を引っ張るな」と言っていた人間がなぜだろうと思った。
「人を見た目で判断しちゃうの。私の悪い癖。そのせいで周りに嫌われて、だったら仲間なんてどうでもいいって思ってた。
宮島さんと隣で仕事してたら、考えが変わったわ。ありがとう。」

「い、いいえ。お互い、頑張りましょう」

嬉しくて、頬が緩んだが、「でも、ぼけーっとしちゃだめよ。あんたのためでもあるんだからね!」

訂正しよう。高梨は、ちょっとだけツンデレだ。たぶん。