降りしきる雨の中、桐生さんは傘をささない。

「ハッ!!随分と若い女連れてっけど、今流行りのパパ活かぁ!?ま、パパ活しそうな女だもんな!!そんな女、程度が知れてっ……!?」


──── 背筋がゾクゾクして、冷や汗が出てきた。


桐生さんから伝わってくる、異様なプレッシャー。

ゆっくり男達の方へ振り向く桐生さんは今、どんな顔をして男達を見ているのか……私には分からないけど、多分……酷く冷たい瞳をしていそうだと思った。


「ひっっ!!?」

「すっ、すんません!!!!」


・・・・自惚れ……じゃなければ、桐生さんはぶつかられたことなんてどうでも良くて、こんなにも怒っているのは……私のため?


「……あ、あのっ!」


私は桐生さんの袖をギュッと掴んだ。

すると、ピリピリしていた空気が無くなって、私をチラッと見た桐生さん。


「悪い」


そう言って私の腰に手を添えて歩き始めた。

必然的に私も足も動く。


「あの人があんな風に女連れて歩いてるなんて……」


後ろでそう言っている声が聞こえた。


──── 桐生さん、女の人と歩かないのかな……?


「こらこら君達~。長生きしたければ喧嘩を売る相手……間違えてはいけないよ?じゃ、長生きしなね」


トドメを刺すような言い方をする不破さん。