──── なんか今日、なんとなく桐生さんの様子がおかしい気がする。
おかしいっていうか、いつも以上に何を考えているのか分かんない。
・・・・でも、私を見つめる瞳がいつも以上に優しくて、あたたかい。
「ついつい買いすぎちゃったね」
「あのっ、お会計……本当にすみません」
「気にしないで?誠がいつもお世話になってるお礼だから」
「いやいや……お世話になってるのは私の方と言いますか」
だって桐生さん……いつもお高いお裾分けしてくるんだもん。
お裾分けっていうか……わざわざ私の為に買ってきてくれてるんじゃないかって、そう思ったりもして……。
チラッと桐生さんを見ると、ポンポンッと頭を撫でられた。
桐生さんの大きくてゴツゴツとした手が、とても安心する。
「雄大がいいって言ってんだ。気にすんな」
「そう……ですか。ありがとうございます」
「いいよいいよ~。これからも誠のことお願いね~」
「は、はあ……」
お願いって言われても……どうすればいいの?
「ったく。余計なことしか言わねえ口だな」
「ははっ。そんなこと言うなよ~」
──── 行きもそうだったけど、桐生さん……さりげなく車道側を歩いて、私を歩道側にしてくれてる。



