「桐生さん」
「ん?」
「着替えてきて正解でした。今日、冷房ガンガンdayですね」
『寒っ』とか言いながら、苦笑いして俺を見ている梓。
「だから言ったろ」
「くくっ。格好つけちゃって~。それだけの理由じゃなかったくせに~」
「テメェはマジで黙ってろ」
「他に理由があったんですか?」
不思議そうに俺を見上げている梓に、勘弁してくれ状態の俺。
もうこれ以上、深掘りすんのはやめてくれ。
「別に」
「そう……ですか。……あ、今日タコ安売りしてますよ!」
「お、ラッキーだねぇ」
「ここの鮮魚コーナー、毎週金曜に何かしら安売りしてて」
「へぇ、そうなんだ~。日頃そういうの気にしてるの?」
「ケチくさいですよね、すみません」
「そんなことないよ?家庭的で凄くいいと思う。な、誠」
「……いいんじゃねーの」
──── 金銭感覚が多少なり鈍ってるタイプかと思ったが、そういうタイプではなかったんだな。
梓のことは全て調べた。
両親が離婚、父親は割と早くに再婚して、子供もいる……要は家庭持ちってやつで、その父親から梓の養育費等を受け取っている形跡はねえ。
つーか、受け取る必要がないほど母親の稼ぎがいい。
「ん?」
「着替えてきて正解でした。今日、冷房ガンガンdayですね」
『寒っ』とか言いながら、苦笑いして俺を見ている梓。
「だから言ったろ」
「くくっ。格好つけちゃって~。それだけの理由じゃなかったくせに~」
「テメェはマジで黙ってろ」
「他に理由があったんですか?」
不思議そうに俺を見上げている梓に、勘弁してくれ状態の俺。
もうこれ以上、深掘りすんのはやめてくれ。
「別に」
「そう……ですか。……あ、今日タコ安売りしてますよ!」
「お、ラッキーだねぇ」
「ここの鮮魚コーナー、毎週金曜に何かしら安売りしてて」
「へぇ、そうなんだ~。日頃そういうの気にしてるの?」
「ケチくさいですよね、すみません」
「そんなことないよ?家庭的で凄くいいと思う。な、誠」
「……いいんじゃねーの」
──── 金銭感覚が多少なり鈍ってるタイプかと思ったが、そういうタイプではなかったんだな。
梓のことは全て調べた。
両親が離婚、父親は割と早くに再婚して、子供もいる……要は家庭持ちってやつで、その父親から梓の養育費等を受け取っている形跡はねえ。
つーか、受け取る必要がないほど母親の稼ぎがいい。



