降りしきる雨の中、桐生さんは傘をささない。

桐生さんの機嫌がまた悪くなったのを肌で感じる。もはや肌で感じるとか、それはもう殺気に近いものだよね。


「あ、あの~。タコパするにも、私ってお邪魔じゃないですか?」

「「全然」」


私の方をバッと見て、即答で声を揃えた二人。


「あ……そうですか……」


としか言えない私。

これって……タコパ決定パターン?


「いいか」

「え?」

「『俺ん家でいいか?嫌なら断ってもいいぞ』ってことだと思うよ?」

「あ、ああ……なるほど」


どうしよう。

正直、ちょっと楽しそうではある……。

でも、さっきのモヤモヤっていうか、桐生さんへの気持ち的な部分が……なんて言ってたら、今まで通りの関係性じゃいられなくなっちゃうもんね。

それは……なんか嫌だし。


「やりたい……やりたいです!タコパ!」

「よしっ!タコパ決定!このまま買い出し行っちゃおうか!」

「はいっ!!」

「まず着替えて来い」

「え?あ、いいですよ?このままで」

「ダメだ」


腕を組んで仏頂面な桐生さん。


「すぐそこですし、このままでも……」

「短ぇ」

「……え?」

「短すぎだろ、それ」


────── 制服のスカートの話……?