「……しくったな、完全に」
一瞬の躊躇いが運命を左右する。その躊躇いは、良い方にも悪い方にも転ぶ。
俺は立場上、判断を間違えるわけにはいかない。
ちんたら迷って、決心がつかないようじゃ話になんねえ。
「躊躇った時点でそこまでだったっつーことだろ」
自分にそう言い聞かせるよう、その場を後にした。
──── 寝ても覚めても、何をしている時も、あの女が頭から離れない。
「誠さ~ん。最近ボーッとしすぎじゃないっすー?大丈夫すかぁ?」
「あ?……別に問題ねえよ」
「まぁ、こんだけ雨降りが続いちゃあ、ボーッとしちゃいますよねぇ。何もしたくねえっすもん」
「若、この後どうします?」
「時間空いたんで、何処か適当に店でも入りますか?」
「ああ……」
車に揺られながら窓の外を見て、風に左右されることなく、真っ直ぐ降りしきる雨をただ眺める。
・・・・あの女は今、何処で何をしてんだろうな。
「あ、そう言えば……。いつだったかの美女が居たじゃないっすか~」
「いや、急に何の話だよ。若の前で変な話すんな」
「いやいや、船越(ふなこし)さん。これ、誠さんにも関係ある話なんすよ~」
「店、何処にしましょう。私はイタリアンな気分ですが」
一瞬の躊躇いが運命を左右する。その躊躇いは、良い方にも悪い方にも転ぶ。
俺は立場上、判断を間違えるわけにはいかない。
ちんたら迷って、決心がつかないようじゃ話になんねえ。
「躊躇った時点でそこまでだったっつーことだろ」
自分にそう言い聞かせるよう、その場を後にした。
──── 寝ても覚めても、何をしている時も、あの女が頭から離れない。
「誠さ~ん。最近ボーッとしすぎじゃないっすー?大丈夫すかぁ?」
「あ?……別に問題ねえよ」
「まぁ、こんだけ雨降りが続いちゃあ、ボーッとしちゃいますよねぇ。何もしたくねえっすもん」
「若、この後どうします?」
「時間空いたんで、何処か適当に店でも入りますか?」
「ああ……」
車に揺られながら窓の外を見て、風に左右されることなく、真っ直ぐ降りしきる雨をただ眺める。
・・・・あの女は今、何処で何をしてんだろうな。
「あ、そう言えば……。いつだったかの美女が居たじゃないっすか~」
「いや、急に何の話だよ。若の前で変な話すんな」
「いやいや、船越(ふなこし)さん。これ、誠さんにも関係ある話なんすよ~」
「店、何処にしましょう。私はイタリアンな気分ですが」



