降りしきる雨の中、桐生さんは傘をささない。

私を宥めるように頭を撫でてくれる桐生さん。


「悪いことしないでくださいね」

「するわけねえだろ……。もうお前以外を抱くつもりはない」


──── 『もうお前以外を抱くつもりはない』……なんかこの発言……気に入らないっ!!!!


こうして私の誕生日に、私達は初めての喧嘩をした。


「もう最っっ低!!」

「あ?んなこと言ってもしゃーねえだろ」

「しゃーなくない!!」

「だったらどうしろっつーんだよ」


ひたすら私達の言い合いは続いて、結局は桐生さんが謝り倒してきて、事なきを得た。


──── 色んな意味で忘れられない誕生日になったのは、言うまでもないよね。





『降りしきる雨の中、桐生さんは傘をささない。』ー 完 ー