降りしきる雨の中、桐生さんは傘をささない。

「梓」

「はい」

「俺と結婚してくれ」

「…………ええっっ!?」


予想外すぎる展開だし、結婚て……さすがにちょっと気が早すぎるっていうか。


「今すぐにとは言わねえ。結婚を前提にっつー話だ」

「あ、ああ……なるほど。びっくりしたぁぁ」


結婚とか考えたことなかったし、意識したことすらなかったけど……何となく私は、桐生さんとこのままゴールインするんだろうなって、そう思ってた節はある。


「……俺には梓が必要だ。心も体も、これからの未来も……全部俺にくれ。お前の全てが欲しい」


そう言いながら、とても綺麗なネックレスを私につけてくれた桐生さん。


「やっぱ似合うな」

「ありがとうございます」

「で、返事は」

「桐生さんの全てを私にください。くれるなら、私の全てをあなたにあげます」

「くれてやる。いくらでも」


優しく微笑みながら私の顎を持ち上げると、私の唇にキスを落とす桐生さん。


「あの……桐生さん……」


──── “心も体も繋がりたい”。


「梓。俺はお前が何よりも大切だ。だから、高校を卒業するまでは何もしねえ」

「……分かりました」

「そんな顔すんな。俺だって我慢してんだ」