降りしきる雨の中、桐生さんは傘をささない。

恋人関係っていう解釈でいいんだよね?


『お前が欲しい』って……そういうこと……だよね?


「まっ、その辺はちゃんと自分で確かめなさ~い。ささ、ショッピングして美冬の所へ行こ!!急な仕事入っちゃったから、夕方には空港行かないと」

「そっか」

「あまりゆっくり出来なくてごめんね?」

「気にしないで。準備して出掛けよ?」

「好きなものたっくさん買ってあげる!!」


それから『年上彼氏ゲットしたんだから!!』ってお母さんが張り切って、服やら下着やら化粧品をたくさん買ってくれた。


・・・・今までの“男女交際禁止!!”は一体何だったんだろうか……。


── 美冬のバイト先でお母さんと別れて、美冬のバイト終わり。


「もぉ……こんなにいいって言ったのに……」 

「雫さん、梓と出掛けられたのが嬉しかったんじゃない?てか、あたしの分まであるし……ほんっと申し訳ないわ。相変わらずセンス良すぎな、雫さん」

「まぁ、いいでしょ。お母さん美冬のこと大好きだし。美冬の選ぶの楽しそうにしてたよ~。ていうか、むしろ迷惑かけてごめんだよ」

「別に迷惑なんてかけられた覚えないって。めちゃくちゃ良くしてもらってるわ……実の子供でもないのにさ」

「……もう、うちの子だよ」

「ははっ。ウケるね~」