──── 桐生さん以外にいい人なんて、私の世界の中にはいない。
私に何かある度に、きっと桐生さんは自分を責めて傷付いてしまう。
それでも私を選んでくれた。
そんな桐生さんを選んだのは、紛れもなくこの私。
何もできないかもしれないけど、優しさ故に傷付いてしまう桐生さんを……少しで支えてあげたい。
「……誠。この子、大切にしてやんなよ」
「いちいち当たり前なこと言ってくんじゃねえ」
ガバッと後ろから覆い被さるように私を抱きしめてくる桐生さん。
私の肩にトンッと顎を乗せた。
・・・・気のせいかもしれない、勘違いかもしれないけど……何となく桐生さんが私に甘えているような、そんな気がして、それがとても嬉しくて……愛おしいと思えた。
「あーー無理無理!!キャラ崩壊ヤバすぎでしょ。きんっっも!!んじゃ、もう行くわ~。またね、可愛い子ちゃん」
「え、あっ……はい!!」
──── 嵐のような人だったな。
「紗英子のこと、不安にさせてたなら悪かった」
「……疑っちゃってすみません」
「いや、いい」
そう言って私から離れると、スマホを差し出してきた桐生さん。
「ん」
『ん』……とは?
私に何かある度に、きっと桐生さんは自分を責めて傷付いてしまう。
それでも私を選んでくれた。
そんな桐生さんを選んだのは、紛れもなくこの私。
何もできないかもしれないけど、優しさ故に傷付いてしまう桐生さんを……少しで支えてあげたい。
「……誠。この子、大切にしてやんなよ」
「いちいち当たり前なこと言ってくんじゃねえ」
ガバッと後ろから覆い被さるように私を抱きしめてくる桐生さん。
私の肩にトンッと顎を乗せた。
・・・・気のせいかもしれない、勘違いかもしれないけど……何となく桐生さんが私に甘えているような、そんな気がして、それがとても嬉しくて……愛おしいと思えた。
「あーー無理無理!!キャラ崩壊ヤバすぎでしょ。きんっっも!!んじゃ、もう行くわ~。またね、可愛い子ちゃん」
「え、あっ……はい!!」
──── 嵐のような人だったな。
「紗英子のこと、不安にさせてたなら悪かった」
「……疑っちゃってすみません」
「いや、いい」
そう言って私から離れると、スマホを差し出してきた桐生さん。
「ん」
『ん』……とは?



