俺のせいで大切なものが奪われ、失うのが怖い。
要はただのヘタレ野郎ってことだな。
「ねぇ、どうしたの~?」
「別に」
ベッドから立ち上がって、身なりを整える。
「もう行っちゃうの?つれないわね」
「用は済んだ」
「ヤり逃げみたい」
俺は欲を満たせれば誰でもいい。
この女は俺とヤりたい。
これは利害の一致。
余韻に浸って馴れ合うつもりは毛頭ない。事が済めば、ここに居座る理由は何一つないだろ。
適当に金だけ置いて部屋から出ると、壁にもたれながらスマホをいじっている長岡(ながおか)が突っ立っていた。
俺の方をチラッと見て、スマホをポケットに入れながら妙にニヤニヤしている。
「相変わらず早いっすね~。誠さんって早漏すかぁ?」
「あ?殺すぞテメェ」
「ははっ。冗談すよ、冗談~」
この能天気な野郎は、死にそうになっていたのを俺が拾って、なんだかんだ流れで組に入ったような奴。
「……長岡。後悔してねぇか」
「え?何がっすか~」
「俺に拾われたこと」
「……なんつ~昔の話してんすかぁ。そんなこと心配しなくても、後悔なんて1ミリもしてませんよぉ~」
「心配なんざしてねえよ」
──── こういう奴ほど、堕ちる時は一瞬。
俺が拾ったからには最期まで面倒を見る責任がある。
要はただのヘタレ野郎ってことだな。
「ねぇ、どうしたの~?」
「別に」
ベッドから立ち上がって、身なりを整える。
「もう行っちゃうの?つれないわね」
「用は済んだ」
「ヤり逃げみたい」
俺は欲を満たせれば誰でもいい。
この女は俺とヤりたい。
これは利害の一致。
余韻に浸って馴れ合うつもりは毛頭ない。事が済めば、ここに居座る理由は何一つないだろ。
適当に金だけ置いて部屋から出ると、壁にもたれながらスマホをいじっている長岡(ながおか)が突っ立っていた。
俺の方をチラッと見て、スマホをポケットに入れながら妙にニヤニヤしている。
「相変わらず早いっすね~。誠さんって早漏すかぁ?」
「あ?殺すぞテメェ」
「ははっ。冗談すよ、冗談~」
この能天気な野郎は、死にそうになっていたのを俺が拾って、なんだかんだ流れで組に入ったような奴。
「……長岡。後悔してねぇか」
「え?何がっすか~」
「俺に拾われたこと」
「……なんつ~昔の話してんすかぁ。そんなこと心配しなくても、後悔なんて1ミリもしてませんよぉ~」
「心配なんざしてねえよ」
──── こういう奴ほど、堕ちる時は一瞬。
俺が拾ったからには最期まで面倒を見る責任がある。



