高校デビュー、気合入れすぎちゃいました?!(仮)

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 「結局最後まで買い物付き合わせちゃってごめんね。こんなに長居する気は無かったんだけど…。」

 「いや、こっちが行きたいって頼んだんだし気にしないで。
 それに、すっごく楽しかったし。」

 そう。欲しかった漫画は早々にゲットしたものの、北条くんに漫画のプレゼンをしてたらかなりの時間が溶けてしまい…。

 気付いたらもうとっくにお昼の時間を過ぎていた。

 「北条くんが楽しそうに聞いてくれるから、つい私も楽しくなってきちゃって…。」

 「実際すごい楽しかったよ。恋愛漫画とか今まであんまり読んだことなかったし。」

 「読みたいのあったらいつでも貸すから言ってね!
 ファンが増えるの、嬉しいし!」

 「はは、お言葉に甘えて、今度借りちゃおうかな。」

 他愛もない会話。

 昨日まではあの北条くんと一緒にいることになるなんて思いもしなかったけど、意外と普通に話せるんだなぁ。

 なんて、呑気にそんなことを考えていたらぐぅぅ、とお腹が鳴ってしまった。

バッ、とお腹を抑えたもののもう遅い。

ぶわりと顔が赤くなるのを感じながらちら、と北条くんを見上げると顔にはまるでちっちゃい子を見るような笑みが浮かんでいて、あ〜〜〜恥ずかしい…!

「そ、そろそろ帰ろうか!」

 恥ずかしさを誤魔化すようにそう言うと、

「うーん、なにか食べていったほうがいいんじゃない?あ、ちょうどあそこにキッチンカーが出てるよ。」

と言われてあれよあれよという間にそのキッチンカーとやらの前に引っ張られる。

「お、クレープだって。何か食べたいのある?こんな時間まで付き合わせちゃったのは俺だし、奢るよ。」

「へ、いやいやいや、大丈夫だよ…!」

ブンブンと腕を振って大丈夫の意を示す。流石にここまで迷惑かけるわけにはいかないし…。

「俺の我儘ってことじゃ、だめ?」

「う、」

どうやったら諦めてくれるかとぐぬぬ、と唸っている私に、追撃。

その目に見つめられると、どうしても断れない。

「えっと、じゃあ、ご馳走になります…。」

「やった。どれが食べたい?」

 ぱあっ、と効果音が付きそうな笑顔でそう聞かれ、まあいっか。という気分でメニューを見た。

 そんなこんなで、入学初日は思っていたよりもずっと慌ただしくて、でも思い切り充実した日となった。