「だから、俺は必ず図書室ピエロを見つけ出し、歩夢を取り返す。そう決意して、都市伝説の調査をしているんだ」
「そうだったんだ……」
「情けないだろう? 臆病者だろう? あきれたか?」
「ううん。そんなことないよ。水間さんは、助けようとしてるんだから――強いよ!」
ぼくはぼくなりに、自分の言葉で思ったことを伝えた。
すると水間さんは目を丸くしてから、また苦しそうな優しそうな、両方が混じっている顔で笑った。マスクがないからよく見える。亮にいちゃんほどではないけど、とってもカッコイイ。
「ありがとう、瑛」
「ううん。本当のことを言っただけだから」
「――歩夢のことを思い出すから、瑛を連れて行くのは迷ったんだ。だが、今日は来てくれて助かった。ありがとう」
水間さんの言葉に、ぼくはうなずく。それから、はたと思い当たった。
「ねぇ、水間さん?」
「なんだ?」
「都市伝説を調べるの、ぼくも手伝おうか?」
「……たった今、危険性を話したと思うが?」
「だって、都市伝説って学校にいっぱいウワサがあるよ? 実際に学校に通っているぼくの方が、調べやすいと思うんだけど」
「それは……、……その通りだ」
「協力するよ。ぼくも、歩夢くんを助けるの、手伝いたい。力になれるよ、だってぼくは――」
――〝大人〟だから。そう言いかけて、ぼくは言葉を飲み込んだ。
代わりに、水間さんに向かって、ぼくは右手を差し出した。
「ぼ、ぼくは、水間さんのお手伝いを一回してるから、〝じっせき〟があるんだからね!」
「そうだな」
するとくすりと笑って、水間さんがぼくの手を握った。握手をしながら、ぼくはじっと手を見る。水間さんは指が長く骨張っている。
「よろしく頼む」
「うん! それじゃあ……毎週日曜日! 日曜日に〝ていきほうこく〟をするよ!」
「分かった。場所はどうする?」
「うーん……うん。この公園にしよう!」
ぼくが決めると、水間さんが笑顔で頷いた。今は、苦しそうな顔はしていない。
「来週からも、ここで待っている。時間はどうする?」
「今日と同じ!」
「メモしておく」
そんなやりとりをしていると、市内放送が、昼の十一時を知らせる音をひびかせた。
「そろそろ解散しよう」
「うん!」
こうしてぼく達は、その場で別れた。
「そうだったんだ……」
「情けないだろう? 臆病者だろう? あきれたか?」
「ううん。そんなことないよ。水間さんは、助けようとしてるんだから――強いよ!」
ぼくはぼくなりに、自分の言葉で思ったことを伝えた。
すると水間さんは目を丸くしてから、また苦しそうな優しそうな、両方が混じっている顔で笑った。マスクがないからよく見える。亮にいちゃんほどではないけど、とってもカッコイイ。
「ありがとう、瑛」
「ううん。本当のことを言っただけだから」
「――歩夢のことを思い出すから、瑛を連れて行くのは迷ったんだ。だが、今日は来てくれて助かった。ありがとう」
水間さんの言葉に、ぼくはうなずく。それから、はたと思い当たった。
「ねぇ、水間さん?」
「なんだ?」
「都市伝説を調べるの、ぼくも手伝おうか?」
「……たった今、危険性を話したと思うが?」
「だって、都市伝説って学校にいっぱいウワサがあるよ? 実際に学校に通っているぼくの方が、調べやすいと思うんだけど」
「それは……、……その通りだ」
「協力するよ。ぼくも、歩夢くんを助けるの、手伝いたい。力になれるよ、だってぼくは――」
――〝大人〟だから。そう言いかけて、ぼくは言葉を飲み込んだ。
代わりに、水間さんに向かって、ぼくは右手を差し出した。
「ぼ、ぼくは、水間さんのお手伝いを一回してるから、〝じっせき〟があるんだからね!」
「そうだな」
するとくすりと笑って、水間さんがぼくの手を握った。握手をしながら、ぼくはじっと手を見る。水間さんは指が長く骨張っている。
「よろしく頼む」
「うん! それじゃあ……毎週日曜日! 日曜日に〝ていきほうこく〟をするよ!」
「分かった。場所はどうする?」
「うーん……うん。この公園にしよう!」
ぼくが決めると、水間さんが笑顔で頷いた。今は、苦しそうな顔はしていない。
「来週からも、ここで待っている。時間はどうする?」
「今日と同じ!」
「メモしておく」
そんなやりとりをしていると、市内放送が、昼の十一時を知らせる音をひびかせた。
「そろそろ解散しよう」
「うん!」
こうしてぼく達は、その場で別れた。

