環境が最悪なので推し活してたら推しから溺愛されることになりました


 楽しそうにしていても、決して楽なわけではない。
 そんな仕事をこなす彼らに、美知華は改めて尊敬の眼差しを向けた。
『今日の罰ゲームは……激辛スープ一気飲み!』
『うわ出たー』
『マジでやんの?』
<罰ゲームの定番だ>
<イグニスこういうの好きだよね>
<前回負けたの誰だっけ>
 今日もコメントも大賑わいだ。
 美知華自身も、少し前まではコメントをして読まれたら喜ぶ側だった。
「それが今じゃ推しとお付き合いだもんなぁ……ホント、何があるかわからないなぁ」
 仕事をしない同僚に、出世のために浮気をして捨ててきた元カレ。
 絶望のどん底で出会った『イケリウム』という配信者ユニット。
 そこから始めた推し活が、まさかこんな結果になるとは思いもよらなかった。
「でも……これからもアクアくんのこと、推してくからね」
 バンクルをなぞりながら、美知華は画面を見る。
 画面の向こうでアクアのバンクルも、キラリと光っているのだった。


【完】