環境が最悪なので推し活してたら推しから溺愛されることになりました

「『イケリウム』のみんなは、本当にプロ意識高いよね。そういうところ尊敬しちゃうよ」
「あはっ。美知華さん、前の撮影の時と同じようなこと言ってくれてる」
 アクアはうっとりとした表情を美知華に見せ、ニッコリと微笑む。
「アクアくん。その前の取材ってやつだけど……」
「俺たちまだ人気出る前でさ、雑誌の撮影なんて初めてだったやつ。そん時俺、実は具合悪くてさ。そしたら美知華さんだけが……優しくしてくれた」
 言われて、じわじわと記憶がよみがえった美知華は声を上げる。
「あっ、あれアクアくんだったのッ?」
「そうでーす。俺、あん時の美知華さんにすげー救われたんだから」
「そ、そんな大げさな……」
「大げさじゃないよ。だからお願いしようと思って」
「……何を?」
 するとアクアは、まるで王子様のように美知華の手をそっと取った。
「佐伯美知華さん。俺の専属マネージャーになってください」
「えっ……」
「ええええええ! なんでぇっ?」
 美知華が驚くよりも早く、舞衣の方が甲高い声で叫んでいた。