かなり背が伸びたよね。

 もうすぐ大会だからかな、髪はいつもより短く切ったみたいで、それもよく似合ってる。

 全体的に体は筋肉質っぽくなって、がたいもよくなった。

 もともと体格はよかったけど。

 ……かっこいいなあ。

「まりか?」

「……えっ、あ! ごめんっ」

 亮に見とれていたせいで、自然と歩みが止まっていたらしい。

 わたしの気持ちを知っているなつきだけが、困ったように眉を下げている。

「あー、あれ亮じゃん。誘えば亮も一緒に帰るかな? 最近付き合い悪いけど」

 わたしが見ていた方向を見て同じように亮の姿に気付いたなにも知らない律が、おもむろにそんなことを言ってのけた。

 どうしよう……。

 一緒に帰りたい気持ちはもちろんある。

 だけど、わたしはもう、亮にどんな顔をしていいかずっとわからずにいるんだ。

 まともに会話もできる気がしないよ……。