カラカラと自転車を押しながら、三人で歩く。

 高台にある校舎と自転車置き場。

 近道で行けるようにと作られた、高台から伸びるグラウンド脇へと繋がる歩道。

 そこを下って行けば野球部が活動している側に出る。

 今日は部活が終わったからかネットは綺麗に端へとまとめられていて、グラウンド内がよく見えた。

 グラウンドではまだ、陸上部が走ってる。

 わたしの目は部活の片づけをする野球部を通り越して、その奥で活動している陸上部を追っていた。

 亮の姿を自然と探しちゃう自分がいる。

 ……あ、いた。

 いくつものハードルをいとも簡単に飛び越えながら、亮が走ってる。

 遠くからでも亮だってすぐにわかる。

 それくらいずっとずっと、亮のことだけを見てきたから……。