「なー、今日部活帰りコミセンでだべって帰らねー?」
「さんせー!」
律があの頃のように、みんなにそう言った。
なつきも同じように、幼い子供みたいに片手を上げてはしゃいでる。
わたしが好きだったあの頃が、また手のひらに落ちてきた。
変わっていくことも、これからいっぱいあるんだろう。
だけど、変わらない部分を大事にしてたって、いいと思うんだ。
わたしはこの先もずっと、みんなとこうやって笑ってたい。
「まりかも行くだろ?」
「もちろん!」
今度こそ、大事にしてみせる。
信じるのは神様なんかじゃなく、いつだって自分自身なんだと胸にきざんで。
信じる気持ち、勇気を、わたしはずっと持ち続けていたい。
伸ばされた亮の左手を、わたしはぎゅっと。
ぎゅーーーっと強く、握り返した。
【END】



