別れの春
出会いの春
4月も始まったばかり。
宿題がない唯一の春休みをのんびり満喫していたら、
急に衝撃の事実を知らされた。
「父さん、再婚するんだ。」
5歳の頃母が他界してからはずっと父子家庭で育ってきた。
もちろん、父も母もいて、その上兄妹がいるような大家族の友達が羨ましいと感じたことはあるが、
片親の家庭も珍しくはないだろうし、実際二人暮らしでも不便はあまりなかった方だと思う。
だからこそ、父も息子と二人だけの生活にものすごく不満を感じだわけでもなさそうだったし
すぐに恋に落ちてしまう浮かれた人ではなかったからこそ、びっくりしてしまう。
空いた口が塞がらないというのは、こういうことなのか。
「おめでとう…?」
「あ、ありがとう。というか、驚かないのか?」
「随分衝撃的だったけど…?」
えぇっ!?などと、芸人さんや役者さんがやるような大げさなジェスチャーをしないと、
驚きは相手に伝わらないらしい。
「で、肝心の相手は誰なの?」
自分の母親になる人だ。血は繋がっていなくとも、生きていく上で大事なポジションにつく人だ。
話を聞くと、彼女はCAらしい。となると、もしかしたら地面の上にいるより空の上にいる時間の方が多いのかもしれない。
出会についてはあまり触れなかったが、先にアプローチしたのは彼女のようだった。
「それでな、大事な話があるんだ。」
急に改まって何かと思いきや、またも衝撃の事実を知ることになった。
「彼女、子供がいるんだけど、お前と同じ学校らしいんだ。」
えっ、と声をあげて驚く。
しかも、同じ学年らしい。
親の再婚相手が同級生だったみたいな、少女漫画あるあるのストーリー的展開になってしまった。
確か、このまま進むと、主人公は彼の新しい一面を知り、
そのまま好きになっていき、両思いになっちゃってハッピーエンド…みたいな感じだったっけ。
まぁ、相手の子供は男だというので恋に落ちるわけがない。
よかった、と思いつつ、新居への引っ越しが来週に迫ってきているようなので焦りを感じる。
いつも予定を詰め込みすぎる父を持つ息子は、振り回されるので大変である。
ちなみに、相手の子供の名前は教えてくれなかった。
会ってからのお楽しみらしい。
そこが一番重要なのにと思いつつ、急な人生の道の切り替わりの先が平穏の日々であることを祈った。
出会いの春
4月も始まったばかり。
宿題がない唯一の春休みをのんびり満喫していたら、
急に衝撃の事実を知らされた。
「父さん、再婚するんだ。」
5歳の頃母が他界してからはずっと父子家庭で育ってきた。
もちろん、父も母もいて、その上兄妹がいるような大家族の友達が羨ましいと感じたことはあるが、
片親の家庭も珍しくはないだろうし、実際二人暮らしでも不便はあまりなかった方だと思う。
だからこそ、父も息子と二人だけの生活にものすごく不満を感じだわけでもなさそうだったし
すぐに恋に落ちてしまう浮かれた人ではなかったからこそ、びっくりしてしまう。
空いた口が塞がらないというのは、こういうことなのか。
「おめでとう…?」
「あ、ありがとう。というか、驚かないのか?」
「随分衝撃的だったけど…?」
えぇっ!?などと、芸人さんや役者さんがやるような大げさなジェスチャーをしないと、
驚きは相手に伝わらないらしい。
「で、肝心の相手は誰なの?」
自分の母親になる人だ。血は繋がっていなくとも、生きていく上で大事なポジションにつく人だ。
話を聞くと、彼女はCAらしい。となると、もしかしたら地面の上にいるより空の上にいる時間の方が多いのかもしれない。
出会についてはあまり触れなかったが、先にアプローチしたのは彼女のようだった。
「それでな、大事な話があるんだ。」
急に改まって何かと思いきや、またも衝撃の事実を知ることになった。
「彼女、子供がいるんだけど、お前と同じ学校らしいんだ。」
えっ、と声をあげて驚く。
しかも、同じ学年らしい。
親の再婚相手が同級生だったみたいな、少女漫画あるあるのストーリー的展開になってしまった。
確か、このまま進むと、主人公は彼の新しい一面を知り、
そのまま好きになっていき、両思いになっちゃってハッピーエンド…みたいな感じだったっけ。
まぁ、相手の子供は男だというので恋に落ちるわけがない。
よかった、と思いつつ、新居への引っ越しが来週に迫ってきているようなので焦りを感じる。
いつも予定を詰め込みすぎる父を持つ息子は、振り回されるので大変である。
ちなみに、相手の子供の名前は教えてくれなかった。
会ってからのお楽しみらしい。
そこが一番重要なのにと思いつつ、急な人生の道の切り替わりの先が平穏の日々であることを祈った。



