「解雇……? なんで?」
春馬は私と目を合わせることなく、社長とお嬢様と部屋を出ていく。
ふらついた由紀を支えてくれたのは、同期の菜々美。
「坂下部長! どういうことですか!」
声を上げてくれたのは、昨日一緒に出張へ行った先輩。
「あんな人だと思わなかった!」
「コンペでいい成績だったからって酷いだろ」
同じ課の人たちが由紀に大丈夫かと聞いてくれる。
「俺もどういうことなのか……」
困った顔の部長に解雇通知を見せられた由紀はどうしていいのかわからないほど手が震えた。
「そんなのお嬢様との結婚に小林が邪魔だから追い出されたに決まってるじゃないですか!」
「酷いですよ! 部長、こんなの不当だって訴えてきてくださいよ!」
だぶん何を言っても無駄だ。
彼も仕事も一度に無くすなんて。
やっぱりコンペなんて手伝わなければよかった。
今更後悔しても、なにもかも遅い。
「……お世話に、なりました」
由紀は小さな声でそう言うのが精一杯だった。
春馬は私と目を合わせることなく、社長とお嬢様と部屋を出ていく。
ふらついた由紀を支えてくれたのは、同期の菜々美。
「坂下部長! どういうことですか!」
声を上げてくれたのは、昨日一緒に出張へ行った先輩。
「あんな人だと思わなかった!」
「コンペでいい成績だったからって酷いだろ」
同じ課の人たちが由紀に大丈夫かと聞いてくれる。
「俺もどういうことなのか……」
困った顔の部長に解雇通知を見せられた由紀はどうしていいのかわからないほど手が震えた。
「そんなのお嬢様との結婚に小林が邪魔だから追い出されたに決まってるじゃないですか!」
「酷いですよ! 部長、こんなの不当だって訴えてきてくださいよ!」
だぶん何を言っても無駄だ。
彼も仕事も一度に無くすなんて。
やっぱりコンペなんて手伝わなければよかった。
今更後悔しても、なにもかも遅い。
「……お世話に、なりました」
由紀は小さな声でそう言うのが精一杯だった。