雨……か。

ふと誰も居ない昨日を除き込むと1人の男子が雨の窓を退屈そうに眺めていた。


私は、その男子に近寄った。


「ねぇ」

その彼は何も言わずに私を見た。

超絶イケメン!って、騒いでいる場合じゃない。

「もしかして……傘、貸そうか?」

「え、……なんで、分かったの?」

「やっぱり……」

私はカバンから折りたみの傘を取り出して彼に渡した。

「君は?」

「私は大丈夫。置き傘あるから」

「そう?」


私は、その場を後にした。


彼は、彼女を見つめた。





そうこの雨の日から彼のことが頭から離れなかったんだ。