「はああ朝からいいもの見れちゃったーっ」
「四天王のおふたり、今日も目の保養」
そんな周りの声に苦笑して2組のドアをあけた。
さっきの状況を毎日のように目にしているクラスメイト…だけでなく学年のみんなにはどうやら朝の恒例行事として見届けられているらしい。
「さーわちゃんっ、三園くんとは付き合って…」
「ない。断固否定」
教室に入って1番に飛びついてくるこいつは、私にこの質問を毎朝してきてから早2年が経つ。
「ですよねー、いいと思うんだけどなあ」
「ない。断固拒否、願い下げ。」
真顔でそう告げると、まあまあそう言わずにーって爆笑される。
「んじゃ今年も同じクラスだしよろしくねっ♡」
「切り替え早すぎ、…よろしくね」
「ふふ、美しい我が雪ちゃん」
「その呼び方やめて」
そして私のことをごく稀に雪ちゃんと呼ぶこいつとはなんだかんだ3年連続で同じクラスの、早見 紘菜。

