「ねーっ、僕が3組で紗杷が2組だー」
「あ、ほんとだ」
「反応薄い!」
「ごめんってばー」
そんなことで軽く拗ねる世理がいつまで経ってもおもしろい。
はー笑える。
中学校に入ってから同じクラスに一回もなってないのが唯一の救いかもしれない。
「はよっ世理、今日も雪乃さんを独り占めかー?」
あれは、世理の友達。
「みんなの紗杷だけどみんなが近寄ってこないんだよー」
「世理が羨ましいわー」
世理と一緒に教室まで歩いていると、軽く10人、いや20人を超える人が話しかけてくる。
まあ、私はその横で微笑むだけなんだけど。いや、苦笑いになってるかな?
さっすが、社交的で愛想がいいのは変わってない。
なんだかんだいって構いがいというか、面倒見がいのある自慢の幼馴染だ。

