…はああ、こんなときに数学得意な世理がいたらなあ。
「ん、今回だけね」
「ゆいくんー!!」
先生にバレないようノートを私に貸してくれたゆいくん、神です。
ノートに書かれた意外にも綺麗な字を見て、黒板にスラスラと書き写す。
はあ、本当に助かった…!!
ゆいくん、やっぱクズじゃないかも。
「ゆいくーん!ほんとにありがとう!!」
「ほんとだよ、まじ俺のおかげ。
てことでなんか購買で奢って?」
元々それが目的だったかのようにドヤ顔される。
確かに助かったけど!
そんなの聞いてない
「後出しはずるいよゆいくん卑怯」
前言撤回、クズですこいつ。
「俺にメリットなかったらそんなんするわけないじゃーん、つべこべ言わずに購買行くよ」
「あ、もうちょっとやめてよ!」
「はいはい行きますよー」
ゆいくんに無理やりブラザーの袖を引っ張られる。
運がいいのか悪いのか、さっきの授業は4限目で、今は昼休み。
ちょうど私もお昼を購買に買いに行くし、まあしょうがないか。

